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精神医学と司法――kさんのコメントから―― (3)

私が精神鑑定を二度と行わないと決めたもう1つの,そして決定的な理由は,被告の「責任能力の有無」を判定する基準が,私にはどうしてもみつけだせなかったからです。

診断は,つけられます。
もちろん,宮崎勤の例のように,この業界の大御所である精神科医3名が鑑定し,それぞれ異なる診断を下す場合はあります。
精神疾患につきものの,この診断の不確実性は精神鑑定における大きな負の要素ですが,より大きな問題はその次の段階にあります。

例えばごく軽症の統合失調症と診断がついたとして,その被告には責任能力はあるのでしょうか?
きわめて重症の人格障害と診断された被告には責任能力があるのでしょうか?

少なくとも医学部において,そして卒業後の研修において,私はそれを判断するための教育や訓練を受けたことがありません。

そもそも,何らかの精神疾患に罹っている患者が犯行時に「責任能力」なるものがあったかどうかを判断する決定的な基準があるとは考えがたく,あったとしてもそれを修得した精神科医がそうそういるとは思えません。

朝青龍に「神経衰弱」と診断を下し、説明責任を果たす「責任能力」は無いと判断した包茎治療専門医の本田昌毅医師にも,光市母子殺人事件を「著しい精神的な未発達がもたらした偶発的な」ものであると断じた野田正彰医師にも,少なくとも経歴を拝見する限り,平均的な精神科医以上の特別な能力があるようには思えません。

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コメント (1)

小牧 清立:

はじめまして!
私、小牧清立と申します。
先生の記事を読ませていただき、ナルホド・・と感心いたしたものですから、コメントさせていただいています。
人の心の精神疾患について、どこまでがどうなのか・・という境界線が引かれないし、それを判断する基準というのも「心の世界」ですから非常に難しいのでしょうね・・・
とても勉強になりました。
心よりお礼を申し上げます。

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2007年08月08日 21:40に投稿されたエントリーのページです。

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