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「精神安定剤」という言葉の功罪 (1)

先日,外来中に,患者さんからの電話を受ける機会がありました。
私の担当患者さんではありません。
私が勤めている病院に通ってきている患者さんでもありません。

心療内科を標榜する他のクリニックにかかっているのだが,治療内容や説明に納得がいかないのでセカンドオピニオンを得るためにこちらの病院を受診したい,という内容でした。
少し込み入った話だったので看護師さんでは対応が難しかったようで,たまたま手が空いていた私にお鉢が回ってきたというわけです。

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聞いてみると,あまり良くない意味での「よくある話」でした。
その患者さんは二十代の女性で,3ヶ月ほど前から現在のクリニックに通っているのですが,先々月から,それまで規則的だった月経が止まったために婦人科を受診したところ,「心療内科から処方されている薬の副作用でホルモンのバランスが崩れているためだと思われる」,と告げられたのだということです。
前回受診時に心療内科の主治医にその旨を告げたところ,「そんなことはないので自分を信頼して服薬を続けて欲しい」,「信頼関係を維持できないのなら治療は継続できない」と言われ,どうしてよいかわからなくなって他の病院――それがたまたま私の勤務先だったわけですが――でセカンドオピニオンを求めてみることにしたのだそうです。



私は,処方されている薬の名前を尋ねました。
その患者さんは薬の名前を答えることはできましたが,それがどういう種類の薬物であるかは主治医からは詳しく説明されておらず,「軽い精神安定剤」とだけいわれているとのことでした。
どうやら,診断についてもお茶を濁されているようです。

さて、ここで問題ですが、「精神安定剤」の服用によってホルモンのバランスが崩れることはありうるでしょうか?

>>>「精神安定剤」という言葉の功罪 (2)


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2008年12月15日 07:12に投稿されたエントリーのページです。

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