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統合失調症 アーカイブ

2007年07月07日

統合失調症の患者さんと喫煙 (1)

いつか晴れるよね」というブログを執筆されているkazukazu3611から拙記事にコメントをいただきました。

kazukazu3611さんの文章力もあって,統合失調症の患者さんやそのご家族の苦悩がリアリティをもって綴られています。

正直なところを申し上げれば,kazukazu3611さんのご子息は医療者にとって対応が難しいタイプの患者さんのように思われ,総論としてはアドバイスじみたことはなかなか思い浮かびません。

しかし各論では,

①最初に警察の介入を依頼したときに,警官は「警察官による24条通報(職務上において自傷他害の危険性ありと見なした事例を対象とする通報。その対象には,触法行為を伴わない者も含まれる)」を行うべきでした(ただしその場合は入院形態が措置入院になってしまっていたでしょうが)。
ところがこの制度を知らなかったり,知っていても関わり合いになりたがらない警官が多く,この制度はなかば形骸化しています。

②主治医氏の薬の使い方にもう少し工夫の余地はあるような気がします(ただし現在の処方内容については記載が無いので,現状についてはコメントしようがありませんが)。

③薬の作用が発現するまでの時間や作用の持続時間についていくらか誤解をされているようです。

④統合失調症と喫煙の関係。

いずれも本が1冊書けるほどのテーマですが,次回以降,微力ながら④の喫煙について取り上げてみようと思います。

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統合失調症の患者さんと喫煙 (2)
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2007年07月10日

統合失調症の患者さんと喫煙 (2)

統合失調症の患者さんと喫煙(ニコチン依存)の関係は非常に複雑です。
統合失調症の生物学的な基盤との関係から,病棟管理上の問題に至るまで,取り上げられ方もさまざまです。

思いつくままに挙げるならば――

1) 統合失調症患者さんの喫煙率は高い(70~80%)

2) 喫煙率が高い理由としては,精神症状によるストレスを軽減しようとするため,という説もあれば,陰性症状や認知機能障害によって喫煙リスクに対する理解力が低下するため,といった説もある。

3) 一方で,ドーパミン受容体やアセチルコリン受容体の異常といった生物学的基盤が関与しているかもしれない。すなわち,統合失調症であること自体がニコチン依存のリスク要因であるのかもしれないという説もある。

4) ニコチンは薬物の分解に関係する肝臓の酵素を誘導して薬の分解・排出を促進させる作用があるので,喫煙によって薬の血中濃度が低下し,薬効が軽減してしまうかもしれない。

5) 一方で副作用も軽減するので,不快な副作用を無意識のうちに和らげる目的で喫煙するのかもしれない。

6) 喫煙とは関係なく,統合失調症であることは肥満や高脂血症,糖尿病のリスク要因である。これに喫煙が加わることで心血管系の疾患の発症リスクが相乗的に高まるかもしれない。

7) そして,入院や保護室への隔離などで強制的に禁煙を迫られた場合,ニコチンの禁断症状が出現し,本来の精神症状との区別が難しいことがある。

などといった要素が喫煙にはあります。

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統合失調症の患者さんと喫煙 (3)
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