2010年01月26日

さかきさんのご質問に対する回答①

応援クリックよろしくお願いしますメンタルヘルスブログランキング 現在176位↑

さかきさんからのご相談に対する回答です。

さかきさんのご質問にお答えするためには、さかきさんがどのような診断に基づいてデパスを処方されたのかをまず知る必要があります。

他に精神医学的な疾患がなく、不眠だけが問題である場合であっても、その不眠に対して「概日リズム睡眠障害」のような診断が付くこともあります。
「なぜ眠れないのか」がわかれば、薬物療法以外の対応が可能かもしれません。

また、うつ病のような精神医学的基礎疾患があった上での不眠であるならば、原病がよくならないうちは、不眠だけが改善することは稀かもしれません。
この場合のうつ病と不眠は、風邪と咳のような関係にあるといえます。

続きを読む "さかきさんのご質問に対する回答①" »

2010年01月10日

エスシタロプラム(シプラレックス/レキサプロ)日本登場?

応援クリックよろしくお願いしますメンタルヘルスブログランキング 現在669位↓↓

満を持して、といったところでしょうか。

新年早々届いたニュースです。

抗うつ剤「エスシタロプラム」の日本国内における販売契約締結のお知らせ

持田製薬が治験を行なっているのは知っていましたが、精神科領域で名前が通っているとは言えない会社なので、治験も、それがうまくいったとしてもその後の販売も、苦戦するのではないかと予想していました。

こうしたプレスリリースが出るということは治験がうまくいっているのでしょうから、まずはめでたし、というところでしょう。

新薬が出たからといって臨床の現場での治療成績がよくなるという実感は正直言ってあまりないのですが、選択肢が増えるのは悪いことではないでしょう。

続きを読む "エスシタロプラム(シプラレックス/レキサプロ)日本登場?" »

2010年01月09日

新年明けましておめでとうございます

応援クリックよろしくお願いしますメンタルヘルスブログランキング 現在828位↓↓

……という時期でもないですね(笑)。
年中行事でもある年末年始の繁忙期を抜け出しつつある今日この頃です。

早いもので、このブログを書き始めてから5度目のお正月を迎えました。

我ながら続いてるものだなーと思う反面、数えてみたら昨年は14回しか記事を書いていないことがわかって少し反省。

続きを読む "新年明けましておめでとうございます" »

2009年11月16日

精神科医は腹の底で何を考えているか

応援クリックよろしくお願いしますメンタルヘルスブログランキング 現在669位↓↓




現在半分くらいまで読み終えたところです。
春日武彦先生の「精神科医は腹の底で何を考えているか」
春日先生の著作は学生時代から読んでいますが、どれも、精神科医によって書かれた一般の方向けの本としてはもっともわかりやすく、そしてバランスがとれていると思います。

そんな中ではこの本はやや異色を放っているかも。
患者さんに、読んでいただきたいような、いただきたくないような(笑)。


>>>「メンタルクリニック.net」トップページへ

2009年10月22日

二階堂さんへの回答

応援クリックよろしくお願いしますメンタルヘルスブログランキング 現在669位↓↓

今年の1月にいただいていたご相談なのですが……。
賞味期限切れを承知で、今年いただいたご質問には今年中に答えていきたいと思います。

結論から申し上げると、私には二階堂さんのご質問に対する明確な回答をお示しすることはできません。
担当医にとってもかなりタフな症例だと思います。
情報が限られていますので薬理学的な側面だけから検討しますが、

1) 抗うつ薬を飲むと強い頭痛と吐き気が現れる(診断はうつ病なのでしょうか?)
→セロトニン再取り込み阻害作用がある抗うつ薬(ほとんどの抗うつ薬が該当します)では嘔気と頭痛が現れることがあります。頭痛に関しては色々なタイプがあるので、抗うつ薬との関係は一概には申し上げられませんが(例えば、偏頭痛や群発頭痛にSSRIが有効とする知見があります)。

2) 昼と夕方に、テグレトール200ミリ(計400mg/日?)
→テグレトール(カルバマゼピン)は抗うつ薬としての適応はありませんが、構造的には三環系抗うつ薬と類似しているので、抗うつ薬の代替として使用されることが稀にあります(私は使用した経験がありませんし、カルバマゼピンがうつ病治療の主剤となりうるとは思えませんが)。
もし二階堂さんの診断が躁うつ病であるのであれば、気分安定薬として日本で適応がある3剤のうち、炭酸リチウムとバルプロ酸はともに吐き気の副作用があるので、消去法でカルバマゼピンが使用されたのかもしれません。
ちなみに、カルバマゼピンの血中濃度はいかほどなのでしょうか?

続きを読む "二階堂さんへの回答" »

2009年10月11日

未読:グラーグ57

以前に読んだ「チャイルド44」の続編です。
先月書店に並んですぐに購入していたのですが未だ読めていません。この連休に読むつもりでしたが、いつも通りにあれやこれやでまだ手をつけられていません

こうして本棚の肥やしが増えていきます……。


>>>「メンタルクリニック.net」トップページへ

2009年09月15日

新規抗うつ薬ミルタザピン(レメロン/リフレックス)②

応援クリックよろしくお願いしますメンタルヘルスブログランキング 現在441位↑↑

ミルタザピン(商品名:レメロン錠(シェリング・プラウ株式会社)/リフレックス錠(明治製菓株式会社)登場に伴ってノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA:Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant)という新しいカテゴリーが登場したことにも、同様の背景があります。

現在でこそSSRIとSNRIが抗うつ薬市場を席巻していますが、これらの薬が登場するまでは、三環系抗うつ薬と四環系抗うつ薬が、うつ病の薬物療法の主流を占めていました。

この、「三環系」、「四環系」もカテゴリーの名前ですが、SSRIやSNRI、NaSSAとは異なり、そこに属する抗うつ薬の作用機序ではなく、それらの特徴的な化学構造を表しています。

このため、同じ三環系に属する抗うつ薬であっても、例えばクロミプラミン(アナフラニール)のように主にセロトニン再取り込み阻害作用がその作用機序と目されているものもあれば、イミプラミン(トリプタノール)のように、セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みをバランス良く阻害するものもある、といった具合で、「三環系」というカテゴリーの中に薬理学的プロフィールが異なる薬物が押し込められています。

続きを読む "新規抗うつ薬ミルタザピン(レメロン/リフレックス)②" »

2009年08月16日

精神科薬物療法に対する猫山司のスタンス

またまたお久しぶりになってしまいました。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか。私は携帯電話を肌身離さず所持しつつのお盆休み中です。

さて、最近、拙ブログのコメント欄でセカンドオピニオンを求められることが多くなってきたように感じています。
また、その内容に一定の傾向があるように思われるため、今後の無用な混乱を避けるために、精神科薬物療法に関する私のスタンスをここで改めて表明しておくことにします。

というのも、最近寄せられるご質問やご相談に、「薬をやめたいのだがどうしたらよいか」という趣旨のものが目立つように感じられるからです。
これまで私が拙ブログでベンゾジアゼピン系薬物や抗うつ薬の副作用や離脱症状について言及してきたからなのかもしれませんが、では私が実臨床でこれらの薬物を使用しないのかと言えばそんなことはありません。

むしろ私は、向精神薬を積極的に治療に用いるタイプの精神科医であると自認しています。
副作用が無い薬など存在しませんから、薬を使用することのメリットとデメリットのバランスを常に念頭に置いて置かなければなりませんが、少なくとも初期・急性期の治療における向精神薬の有用性に私は一片の疑いももっていません(将来的にはもっと有効で安全な治療法が現れる可能性は否定しませんが)。

ただ、薬剤の選択や使用量、使用期間について精神科医はもっと敏感になるべきであるというのが私の持論であり、拙ブログで表明してきた主張であるつもりです。

したがって、拙ブログに寄せられたご質問に対する回答も、「薬をいかにやめるか」ではなく、「薬の使用をいかに最適化していくか」という視点でお示ししていくことになると思います(薬の最適使用の中に「薬の中止」という選択肢も含まれます)。
時間の許す限りご質問にはお答えしていく所存ですが、この点はあらかじめご了承いただきたく、本エントリーを執筆することとしました。

今後とも何卒よろしくお願いいたします。


>>>「メンタルクリニック.net」トップページへ

2009年07月19日

ふみまろさんへの回答

応援クリックよろしくお願いしますメンタルヘルスブログランキング 現在652位↓↓

双極性障害の治療方針に関してふみまろさんからいただいていた質問に対する回答です。
ふみまろさんのブログのコメント欄に回答したのですが、字数制限のために受け付けられなかったので、このブログのエントリーに回答(らしきもの)を掲載させていただきます。

拙ブログにコメント・ご相談をいだたいてから時間がたってしまい申し訳ありませんでした。
ここまでの記事を読ませていただいた感想と、あとは少し回答じみたものを。

まず、「双極性障害というのは脳の病気だから薬を中心とした治療」がよいのでは、というふみまろさんの持論は正しいと思います。
ただ、脳の活動に影響する要素は薬だけではないことには留意すべきでしょう。

少なからぬ患者さんは、精神的なストレスを契機として精神疾患を発症したり、症状が増悪したりします。
つまり、環境因子が、そしてそれをどの程度のストレスと感じるかが(つまり「認知」ということになるのでしょうか)、「脳の病気」に影響を及ぼすわけです。

逆に言えば、環境調整や、ある種の精神療法が、症状を改善させたり、安定させたりする可能性は否定できないでしょう。

なので、主治医氏がそのような意味で「生き方について考え」ると言ったのであれば、私もそれはまあそうかなと思います。
ブログを拝見する限りはふみまろさんは既にラピッドサイクラー化してしまっているようなので、薬物療法に関しても主治医氏の意見は正しいと思います。

ただし、教科書的に正しい治療方針が常に実臨床にそぐうかと言えば、答はノーです。

続きを読む "ふみまろさんへの回答" »

2009年07月07日

新規抗うつ薬ミルタザピン(レメロン/リフレックス)①

応援クリックよろしくお願いしますメンタルヘルスブログランキング 現在652位↓↓

ミルタザピン(商品名:レメロン錠(シェリング・プラウ株式会社)/リフレックス錠(明治製菓株式会社)」の発売が明治製薬からプレスリリースされました(うつ病治療薬「レメロン錠/リフレックス錠」の製造販売承認取得のお知らせ)。

治験成功というニュースが耳に届いてからずいぶんと時間がたっているので、満を持して登場、という雰囲気が漂う一方で、私などはこの久方ぶりの新薬にどの程度の期待を寄せてよいものか図りかねているというのが正直なところです。

ミルタザピンは、プレスリリースにもある通り、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA:Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant)という新しいカテゴリーに属する抗うつ薬です。
しかし、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)といったカテゴリーと同様に、このNaSSAもまた、特別な根拠や定義はない、恣意的な区分にすぎません。

続きを読む "新規抗うつ薬ミルタザピン(レメロン/リフレックス)①" »